アデアムのスライミーブログ

ヌメりのある記事を更新していきます

書いてる途中でオチが消えた話

俺の名前は芹沢、建築関係の会社に勤める社会人一年生だ。
今日は大事な企画会議、初めてプレゼンを任されたという事で少し緊張している。

「よう芹沢、プレゼンの資料は出来たか?」

後ろからふいに声をかけられた。声の主は韮崎、俺の同期で、認めたくないが俺よりもかなり優秀だ。

「まあな、でも先週のお前のプレゼンのせいでハードル上がってるからな〜」

実際先週に行われた韮崎のプレゼンは凄かった。(ここから読み飛ばしてもらっていいです)ソーシャルイシューのアジェンダに対してアドバンテージを取り競合他社とのアライアンスでイノベーションを測った上でクリエイティビティなグランドデザインが革新的なソリューションをもたらしていた。(ここまで読み飛ばしてもらっていいです)

しかし、今回のプレゼンに関して俺はかなり自信があった。昨晩に天啓とも言うべきアイデアが降り注いできたのである。

「まあ、なるようになるよ。一年目だしそんなに実績求められてないだろうし」

そんなふうにおどけながら俺と韮崎は会議室へと向かった。

「それでは企画会議を始めます。今回は芹沢くんのプレゼンでしたね?」
直属の上司である葱村課長に尋ねられ、俺は立ち上がる。

「はい、今回は私がプレゼンを努めさせて頂きます。よろしくお願いします。」

そうして俺のプレゼンが始まった

「今回私が提案させていただきますのは住宅における新しい機能ですね。今回のプレゼンに際して予め顧客にアンケートを取ったのですが、既存の住宅における1番の不満ってなんだと思いますか?」

「正解は雨が降ると家の中が濡れることなんですね。従来だと雨が降る前に家の上に撥水シートを被せていたのですが、日本の年間降水日数は全国平均で120日、およそ3日に1回シートを着脱していたらその労力も馬鹿になりませんし、そもそも予報では降らないとされていた日に雨が降ることもありますよね?」

「そこで私が提案させていただきたいのはこちら、住宅上部装着ユニット(仮称)ですね。このユニットを住宅に装着しておくことで雨や雪などが家屋内に侵入することを防げます。これにより顧客満足度は向上、業績にも貢献出来ると思います。以上でプレゼンを終了します。なにか意見があればお願いします。」

「ごめん、ちょっといいかな」
葱村課長が挙手をする
「え?つまりこれは家の上を閉じちゃうってこと?」

「はい、そういう事になりますね。」

「いやいやいや、無理があるでしょ。卵とじじゃあるまいし、そんなに簡単にとじれないよ。」

真面目な話をしてる時にユーモアを持ち出すのはどうかと思うが、課長の意見も一理ある。

「その点は大丈夫です。建材には粘土を焼き固めた軽くて丈夫な素材を使い、コストも抑えています。」

「そっかあ…」

葱村課長が納得しかけたところで間髪入れずに同期の韮崎が意見を述べる

「すみません、僕の意見もいいですか?」
「僕自身その閉じられた家に入った事はないんですけど、家を閉じちゃうって発想がなかったのでちょっと食指が伸びないって言うか…」
「顧客の立場になって考えた場合、あえて閉じられた家を選ぶエレメントが無いって言うか…」

すみません、loof(屋根)を逆さにしたらfool(バカ者)になる事にかけて屋根が存在しないバカの世界ってオチに向けて書いてたんですけど、屋根のスペルがroofって事に今気づきました。終わりです。