アデアムのスライミーブログ

ヌメりのある記事を更新していきます

角煮は具現化した自制心

『人間にあって動物に無いもの、それは自制心だ』

これは古代ギリシャの哲学者、メウレス・トリケヌスが残した言葉ではなく、今私が適当に考えた言葉です。
ついでに言うとメウレス・トリケヌスも存在しません。

さらにメウレス・トリケヌスはこのようにも言っています。

『角煮って作る時めちゃくちゃ自制心いるね』

もちろんメウレス・トリケヌスは存在しないので言ったとか言わないとかの話ではないのですが、確かに角煮を作る時には自制心が必要です。

それにちなんで今回は角煮を作る時には自制心が必要だよって話をしていきたいと思います。


長いことブログ書いてなかったんですけど、ブログの導入ってこんな感じで大丈夫でしたっけ?
(大丈夫じゃなかったとしてもこれが皆さんの目に触れる時にはもう既に更新を終えているのでどうしようもありません)


まず自制心とは何か
自制心とは誘惑や衝動に直面した際に、自己の意思で感情、思考、行動を抑制しようとする心のことです。
英語で言うところのセルフコントロールの概念ですね。

常々思ってたんですけど、料理をするのって自制心が必要なんですよ。

例えばハンバーグを作る時、まず最初に玉ねぎを飴色になるまで炒めますよね。

飴色に炒めた玉ねぎってもうその時点でかなり美味しそうじゃないですか。

でもハンバーグに到達する前に飴色に炒めた玉ねぎだけをムシャムシャ食べる人はいませんよね。

なぜなら今はハンバーグを作るために玉ねぎを炒めているのであって、玉ねぎを食べてしまったらハンバーグが作れないから。

それってつまり「美味しそうな玉ねぎ」という誘惑に打ち勝って、自己の意思でハンバーグを作っている。
ひとつの立派な自制心ですよね。


もうひとつ例えを出すならチャーハン
チャーハンの作り方にも色々あると思うんですが、私は最近ご飯に予め卵とマヨネーズを混ぜてから炒める方式を採用しているんですね。

ご飯に卵を混ぜているという点においては卵かけご飯を彷彿とさせますが、マヨネーズも混ざっているし、何より醤油やめんつゆ等の塩気がないのでそのまま食べろって言われたらキツいですね。

そのまま食べろって言われたらキツイのでこの場合は自制とか関係なく鍋で炒めます。

すみません、適当に書いてるので例えに失敗しました。この場合は自制心関係ないです。


と、まあこのように料理をする時には様々な場面で自制心が求められます。
料理とはいわば誘惑との闘いでもあるのです。

閑話休題

世界中にある多種多様な料理の中でも、トップクラスに自制心が求められるのが角煮だと思うんですよ。

閑話休題って書いた後にさっきと同じ話をすれば面白いかと思ったんですが、そんなことは無かったです

閑話休題ー{ まあそういう時もあるよ

お前喋れんのかよ

まあそんな悪ふざけは置いといて、ここからは何故料理の中でも角煮がトップクラスに自制心を求められるのか、実際に作りつつ解説していきたいと思います。

もちろん、この「実際に作りつつ」は角煮を作ることを指しています。(ここで角煮以外を作り出したらかなり面白いけど、とてもヤバいですね)

今回の角煮に使う材料はこちら

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・豚バラブロック
・ネギの青い部分
・しょうが
・醤油
・みりん
・酒

一般的な角煮の材料ですね。特別な材料は何一つ使っていません。

しかし、この材料の時点で自制心が求められてることに皆さんお気づきでしょうか?

何がと言うとこれ、ネギの青い部分だけ使ってるんですね。

ネギを料理に使う時って大概白い部分から先に使うんですよ。

ネギの白い部分を料理に使った時に「めんどくさいから青い部分も料理に入れちゃえ」とも「青い部分どうせ使わないから捨てちゃえ」ともならずにちゃんと保存しておく。

しかもネギの青い部分ってそんなに日持ちしないので冷蔵室に放置じゃなくてちゃんと冷凍庫に入れてる。

この時点で相当な自制心を持って料理に臨んでいることが分かりますね。


続いて下ごしらえとして、豚バラブロックをフライパンで焼いて焼き目をつけていきます。

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ここはかなり分かりやすい自制心ポイント(※1)ですね

※1 そんな単語はありませんが、今後もこの記事には自制心ポイントという単語が頻繁に登場します
自制心ポイントとは、自制心のポイントという意味です

肉を火で焼いただけという原始的にも程がある調理なんですけど、この時点でかなり美味しそうなんですよ。
正直な話、外側はこんがり焼けててもこの時点では中には全然火が通ってないんでそのまま食べたらお腹を壊すんですけど、お腹を壊してもいいとさえ思います。

ところで皆さん、ギリシャ神話の火の神の逸話はご存知でしょうか。

ギリシヤ神話では、プロメテウスが太陽神の二輪車で燃え盛る火を盗み、人類に与えたことになっています。
人類に火を与えたプロメテウスは、ゼウスからひどい罰を受けた後、地獄に落とされてしまいます。

自らの危険を顧みず、我々に火を与えてくれたプロメテウスには拍手を送りたいですね。

それに比べてゼウスとかいうやつはキレ症だしジジイだしどのソシャゲでもだいたい同じようなデザインしてるし最悪ですね。
そもそもゼウスって全能神とか呼ばれてる割には妻のヘラに

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うわ!閑話休題ムカデが出てきた!
話を本筋に戻さないと!

続いては焼いた豚バラ肉を2〜3cm程度の厚さに切り、ネギと一緒に下茹でして余分な脂を抜きつつ臭みを取る行程です。
(予測変換に「臭みを取る皇帝です」って出てきたんですけど、皇帝なのに庶民派な感じがして好感が持てますね)

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ここは正直自制心ポイントがあまりないですね。
さっきまでこんがりと焼けててあんなに美味しそうに見えたお肉も、水に入れられると「水に入れられた肉だな…」となってしまいます。

続いて、鍋を沸騰させている間に合わせ調味料を作っていきます。

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合わせ調味料は毎回適当に作っているのですが、この肉の量だと

・醤油 150ml
・みりん 80ml
・砂糖 大さじ4
・しょうがチューブ 10グラム

と言ったところでしょうか。

ここでまたしても自制心ポイントが発生します。

・砂糖 大さじ4

多 す ぎ る ね ぇ

砂糖が多すぎて黄猿になってしまいました。
しれっと書いてますけど砂糖大さじ4は人類には多すぎます。

自分の野生が「この量の砂糖は入れてはいけない!」と警鐘を鳴らしているのを、自制心でグッと押さえ込んでヤバい量の砂糖を入れる。
言わば逆の自制心がはたらいているとも言えます。

ちなみに砂糖大さじ1杯は9グラムなので4杯で36グラム、角砂糖で言うと12個分です

アリ1匹に運ばせようとしたら何年かかる量なんでしょうねこれ。
ただ、この量の砂糖をアリ1匹に運ばせようとしている勤務体制にも問題があると思うんですよね。
昨今は長時間労働による過労死などの問題も増えてきている中で、あまりにも使用者側の意識が低いと言いますか。
もちろん、労働者を増やすことによるコストの増加等が見込まれることは重々承知ですがそれでも

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うわ!閑話休題テトリスが出てきた!
話を本筋に戻さないと!


そんなこんなで、角煮と一緒に煮込むゆで卵も茹でていきます

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だいたい7〜8分、もしくは9〜10分、場合によっては5〜6分と言った所でしょうか。
お好みの硬さまで茹でてください(どうせ後で角煮と一緒にえげつない時間煮込むのでこの時点での硬さの調節は無意味です)

ここの自制心ポイントはイージーですね。
ゆで卵はそのままでも美味しいのでそのまま食べたくなります。

しかし、そこはグッと抑えて角煮と一緒に煮込みましょう。

ゆで卵と言えば串カツ田中のポテトサラダですけど、あれ自分でお好みの潰し加減に出来るの凄くいいですよね。
ゆで卵にじゃがいも、ベーコンと何も変わった材料は使ってないんですけど、すり鉢にそれらを入れて客側に調理を委ねる感じがエンタメ感というか楽しさを醸し出していますよね。
串カツ田中ってそういうプロデュースが上手いところが結構あって、例えば全席禁煙をいち早く決めた時なんかも

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うわ!化物語風の閑話休題が出てきた!
話を本筋に戻さないと!


そうこうしてるうちに下茹でが終わったので浮いてるアクや脂を取り除いて、合わせ調味料とゆで卵を入れて煮込んでいきます。

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この行程における自制心ポイントは少し難しいのですが

「他の野菜を入れたくなっちゃう」

ことが誘惑であり、自制心をはたらかせるべきポイントです。

大根や玉ねぎをこの行程で入れて豚バラと一緒に煮込むと大層美味しいんですよ。

しかし、それはしません

何故ならば、大根を入れると豚バラと大根の煮物になってしまい、角煮ではなくなるからです。

私は今角煮を作っているのであり、豚バラと大根の煮物を作っている訳ではありません。

角煮として作り始めたのであれば最後まで角煮として作るべきです。

そうは言っても「でも大根とか玉ねぎとか冷蔵庫にあるなら一緒にいれた方がいいじゃん」と言った声もあるでしょう。

私もそう思います。

ー間話体題ー

半分間違ってる閑話休題!?


続いてがラストの行程ですね。

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煮詰めていって煮汁にとろみがついてきたら完成です。

もう完成しているのでこれで自制心から解き放たれます。

ご飯に乗せても、マヨネーズをかけてもいいんです。

ここからは私の好きにさせてもらいます。

というわけで私の今日の晩ご飯を貼ります。

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新玉ねぎうめぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


さようなら